3月9日からドイツのハイデルベルグにあるクンストファライン美術館にて、Sharing as Caring: Presence for the Future 展として、対話工房の活動も紹介していただけることになりました。
展示のタイトルは「Touched face and future」(触れられる未来)です。女川で暮らす男の子の目線を通して、5年間をかけてアップデートしていくコンセプトで、動画、写真、地図という表現でハイデルベルグの方に「女川の今をどう共有していくか」を伝える試みです。
地図「Touchable face and world」では活動の舞台となっている宮城県女川町の位置と3.11の震源地と津波の被災エリアが描かれ、対話工房のメンバーとの個人的な関係と、それぞれの居住地である地方と地方がつながる模式図と、4隅には人と人の開かれた結びつきを生み出す「ツール」のミニチュア「焚き火」「キャンパー」「屋台」「ソフトクリーム」が取り囲んでいます。これらツールも地図と同様にアイテムが今後そのアイディアと共に集積させていく予定です。地図は海子揮一のコンセプトを元に、渡辺武海がデザインしました。
写真は京都市在住の写真家・草本利枝によって撮し取られた女川町の風景と、現地に住む6歳の「鈴之助」君の写真を中心に構成されています。彼を5年~10年撮影していく、という草本の意思表明が今回の企画のコンセプトの発端となっています。
ビデオは福岡市在住の泉山朗土の撮影・編集によるもので、対話工房設立直後の活動の方向性を示す内容のインタビュー映像となっています。同じものはこちらで視聴することができます。
今回の展示はドイツ在住のキュレーターである吉田美弥氏による企画ですが、5年という長期にわたる年月で津波や原発事故の被災地を取り上げ、それぞれの過去・現在・未来を少しでも共有し理解をする為に時間を掛けて対話を積み重ねるドイツの皆さんの姿勢を感じる企画となっています。
これを機会に女川町の細やかな機微を、この展示を見た方がそれぞれの感性で個々に感じ取り、国を超えてつながっていくことを期待しています。
(写真はすべて吉田美弥氏の提供によるもの)
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