『忘れないための被災地キャラバン』記録冊子

お知らせが遅くなりましたが、先日完成した「忘れないための被災地キャラバン」記録冊子(企画・製作:仙南芸術文化センター〔えずこホール〕/協力:対話工房)についてご紹介させて頂きます。

2014年11月22日、全国から集ったアーティスト=小山田徹(美術家/京都)、鶴見幸代(作曲家/沖縄)、藤浩志(美術家/福岡)、マルチナス・ミロト(ダンサー/インドネシア)と公募による参加者がバスに同乗し、宮城県女川町、石巻市雄勝、南三陸町歌津などを巡り、翌23日はその経験について語り合いました。今回の冊子はこの2日間の記録と、参加者のエッセイをまとめたものです。

 

この試みは、宮城県の文化事業「芸術銀河」(みやぎ県民文化創造の祭典)と、Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)によるものです。参加者は、初めて東北の沿岸部に来た人から、震災前、あるいは震災後に繰り返し通い続ける人までさまざま。2日目に行われた参加者同士の対話には、キャラバンで訪れた先の地元の方も加わりました。

 

対話工房からは小山田がアーティストとして参加し、県内名取市在住の海子揮一も合流。また、2コースに分かれて巡ったキャラバンのAコースでは女川町を訪れ、やはり対話工房の一員である町民の岡裕彦が「おちゃっこクラブ」で参加者の皆さんとお話をする時間も持たれました。

 

こうしたご縁もあり、このキャラバンの記録冊子製作(編集・デザイン)に海子が関わり、デザイン、テキスト各々の面で渡邉武海と内田伸一がサポートしました。なお同冊子の企画・製作主体は、えずこ芸術のまち創造実行委員会 仙南芸術文化センター(えずこホール)となります。

 

冊子誌面より
冊子誌面より

「いま、もう一度、見て、聴いて、カンがえる。」をテーマに行われたこのキャラバンの記録として、この本は訪問者の視点とその交差に重きを置いたユニークなレポートになっていると思います。本という形に残されたことで、訪れる側・迎える側の間に、さらなる対話が生まれる機会のひとつになればと期待しています。


その意味で、この本はひとつの旅のエピローグであると同時に、新たな旅、新たな日常へのプロローグとなるものです。ぜひ多くの方にお読み頂ければ幸いです。関係者の皆様、取材・訪問先の女川町観光協会、雄勝法印神楽保存会、歌津の丸七水産、ほかご協力いただいた全ての方々に御礼申し上げます。


非売品ですが、ご希望の方はえずこホール(電話:0224-52-3004/メール:info@ezuko.com)までお問い合わせください。


※このたびのネパール地震で犠牲になられた方々、ご遺族の皆様に深くお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。対話工房は東日本大震災をひとつのきっかけとして活動を始めました。活動の範囲と規模は限られていますが、別の地で大震災に遭遇し、困難の中にある方々安全と、一日も早い復興を心よりお祈りします。

参考:「忘れないための被災地キャラバン」の様子を、助けあいジャパン情報発信本部さんが取材した映像が、以下でご覧になれます。

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