対話工房は「日常を失ってしまった人々に表現と対話の場を共に作り出す」ことを目標に建築家・アーティスト・メディアクリエーターそして地元のメンバーで結成されました。
2012年1月現在、宮城県牡鹿郡女川町でコミュニティカフェ作りに関わっています。
「被災者と支援者」という抽象的な関係を作らず、顔と顔、手と手がつながる個人的な関係の連鎖反応を深めるように考えてきました。
単なる物質や空間を投下するのではなく、ゆっくりでも少しずつ関わった人々の手の跡が残る様なものづくりと対話を通して、3.11震災後の世界で「つくる」ことの意味を共に一歩一歩築いていく取り組みでもあるのです。
コミュニティカフェプロジェクトは、津波被災地の最前線だった女川町地域医療センター(旧女川町立病院)の前、仮設のコミュニティスペースを住民の方と構想から改装、そして企画・運営までを対話工房とワークショップ形式で共に考え、対話し、作るプロジェクトです。
始まりは宮城県在住の建築家・海子揮一が、津波で家もお店も失ったクライアントの岡さんをお見舞いに訪れ、お店のイメージを残した屋台のイラストを別れ際に渡した事から始まりました。累々たる瓦礫の中でも、負けずに談笑する屋台カフェの姿。当時避難所に暮らしていた岡さんは、語り合える場が必要だと肌で感じていました。発足したばかりの女川町復興連絡協議会(FRK)で強く提案を重ね、現在の場所で実現する事となりました。カフェはその後、「おちゃっこクラブ」と地元の人々に名付けられ、12月から仮営業を始めています。
このプロジェクトで作るカフェの特徴的なものとして、カフェから港を全て一望でき、また小さなギャラリーを設けていることにあります。町内外から寄せられる作品達が飾るギャラリーは、病院に通う地元の人同士の語り場となり、あるいは孤独の中で苦しむ人にとって会話のきっかけとなり、あるいは外から訪れた人々には無数の津波で失われた物語、あるいは今を生きる人々の代弁者となることでしょう。そして絵や写真だけが「作品」ではありません。何気なく営んでいた暮らしそのものを伝える様な企画や運営も一緒に考えて行きたいと考えています。
対話工房の活動として、その屋台カフェの原案を元に「おちゃっこクラブ」以降も様々な表現と対話の場をつくるプロジェクトを展開していく予定です。例えば、仮設でのDIYや製作系ワークショップの拠点となり、町内各所、あるいは近隣の町を結ぶキャンパー「ペガサス号」もそのひとつのツールです。
また、プロジェクトで見出されたニーズとアイディアと工夫の中から雇用の受け皿となる仕事を生み出すことも大事な使命です。全ては女川町で出会う一人一人とメンバーの間から生み出されていくのです。
未来に向けて。
平成24年9月14日に一般社団法人化しました。
団体の正式名称は「一般社団法人対話工房」となります。今後も日常を失った方々の表現と対話の場を作るためメンバー全員一層励みたいと思います。
よろしくお願いいたします。
相澤 久美
泉山 朗土
内田 伸一
岡 裕彦
海子 揮一
草本 利枝
小山田 徹
ティトス スプリー
溝口 善也
渡邉 武海
建築家/編集者/プロデューサー
映像カメラマン
ライター/編集者
サーファー/女川町復興連絡協議会会員
建築家
写真家
美術家/京都市立芸術大学准教授
建築家・美術家/琉球大学教育学部美術教育准教授
役者
デザイナー
東京
福岡
東京
宮城
宮城
京都
京都
沖縄
東京
宮城
※詳しいプロフィールはこちらをごらんください。
助成
協賛
特別協賛
後援
協力
東京都 「東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業」/赤い羽共同募金/公益財団法人福武財団/企業メセナ協議会GBFund(東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド)
ドイツ大使館/独日協会/京都市立芸術大学サイレントアクア実行委員会/アサヒ・アートフェスティバル(AAF)ネットワーク活動支援募金事業/有限会社梅丸新聞店/プラスジョインテックス株式会社
アサヒビール文化芸術財団
女川町復興協議連絡会/女川町/女川町観光協会/シーパル女川汽船株式会社
女川ネイチャーガイド協会/女川福幸丸/女川町復興サポートRealEye/京都造形大学/京都市立芸術大学学生グループTRAMS/せんだいメディアテーク3がつ11にちをわすれないためにセンター/仙南芸術文化センター(えずこホール)/一般社団法人震災リゲイン/アート屋台プロジェクト実行委員会/太宰美装/蔵富人ほか