2016年
2月
22日
月
女川の山や歴史を舞台に女川ネイチャーガイド協会さんと二人三脚で継続してきた対話工房のプロジェクト「うみやまさんぽ」。その3年間の取り組みを描いた短編映像が、来週の2月28日(日)13:07〜、せんだいメディアテーク7Fスタジオシアターで上映します。2/27〜28は他にも素晴らしい作品が多く上映されます。大きなスクリーンで壮大な風景と迫力ある音楽をぜひご高覧ください。
◎3がつ11にちをわすれないためにセンター「星空と路」上映室
http://recorder311.smt.jp/information/48942/
本映像は、震災で喪われたものを描くのではなく共に作ることを主題にしており、またミュージックビデオ並みに音楽を多用した構成になっています。震災後に沿岸部を舞台にしたドキュメンタリー映像としては珍しい部類に入るかもかもしれません。
20分あまりの短編ですが、震災後の様々な状況に振り回されながらも女川の山を愛し守り続ける人の想い、奇跡のような一瞬に集う人たちの想いが少しでも伝わることを願っています。
なお、サウンドトラックは女川に在住の企画参加者によるOnagawa Jomon Orchestraが担当。録音はできたばかりの女川町まちなか交流館のスタジオを借りて行なわれました。
この企画や撮影にあたってはネイチャーガイド協会の藤中郁生さん、地域研究家の山田創平さん、女川町ふるさと歴史友の会さん、京都市立芸術大学の学生さん、メディアテークのみなさんそして出島のみなさんなど多くの方々のご協力をいただきました。
ありがとうございました。
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『うみやまさんぽ Walk along the solistice』2016年
「古代の海の民にとって太陽と遺跡と山の配置に意味があったのではないか」
地域研究者・山田創平氏の仮説に夢を抱いた人びとが集まり、冬の山や夏の島でその一瞬を待った。それぞれの「その場所」への想いを重ねながら、自然との関わりの先に未来を切り拓く取組みを描く。
[撮影・録音・編集]海子揮一
[音楽]Onagawa Jomon Orchestra
[撮影地]宮城県女川町
[撮影日]2013年3月—2015年12月
[制作年]2013年—2015年
[上映時間]21分
2015年
1月
15日
木
ご報告遅くなりましたが、昨年11月に大分県別府市で開かれたトークセッションの様子をお伝えします。BEPPU PROJECT事務局のみなさまをはじめ、ご参加して頂いた別府のみなさまに心より感謝申し上げます。
昨年11月28日、大分県別府市にてトークセッション「対話工房の『対話の場』東北沿岸・女川町から~3年目の報告〜」が開かれました。このプログラムはベップ・アートマンス2014の一環の企画ですが、2012年に続いて2回目の参加となりました。
当日は市内のギャラリースペースP3/BEP.labを会場に、対話工房から地元別府市出身の草本利枝を中心に、女川町から岡裕彦、代表の海子揮一が宮城県から訪れ、市内からは地域の芸術文化活動の担い手を応援している安部純子さん(別府市市役所)、日名子英明さん(ベップオンガク)そして藤田洋三さん(写真家)が参加しました。会場には市内外より40人近くご来場頂き、真剣に耳を傾けようという熱気に包まれました。
はじめに岡と海子から、女川町の成り立ちから震災を経た現在の様子、そしてこれまでの対話工房の活動を紹介。休憩時間に女川から直送したさんまのすり身で作ったつみれ汁をご堪能頂きました。
トークセッションでは普段の緊密なおつき合いがいかに大事か、という話が中心になりました。
おせっかいを焼くことで生まれる街の豊かさ、お年寄りの記憶や歴史を知ることが防災に活きてくること、など別府の今の暮らしに照らし合わせて様々なエピソードや課題が語られました。
「温泉がコミュニケーションの場。でも今は家の風呂が増えてきて寂しくなっている。温泉それぞれに顔があって良かった。」(安部さん)
「風呂に入ればみんな平等。温泉デモクラシーというのが別府にはある。風呂さえあれば対話ができる。」(藤田さん)
「鈴之助を見ていても、平等に分け合うという考えが女川という港町にあることを感じる」(草本)
「お祭りを作って人が集まる場をつくるのが大事、とお話に同感。単発のイベントに充足するだけではだめ。土地の歴史を学んだり、お年寄りに声を掛けたり、日々の積み重ねが大事」(日名子さん)
「おちゃっこクラブというのはさ、今の政治や経済が壊してきた参加型社会なんだよね。世代を越えて情報もスキルも集まってくる理想的な社会。」(藤田さん)
「街が消えると記憶も消える。なくなって痛感している。大切にしないと。」(岡)
トークの後の交流会では、別府の方々が美味しい食べ物を持ち寄って頂き、楽しく舌鼓を打ちながらいろいろな話が行き交いました。
「今回はなんといっても『おちゃっこ』がキーワードだったね。『おちゃっこすっぺし!』を別府でも流行らせよう!」(藤田さん)
を合い言葉に和やかに閉会となりました。
今回、トーク当日前後に別府市内のいろいろな場所を視察で訪れましたが、どの方にも寛大に迎えていただきました。
とても遠い東北と九州ですが、直に会って話を交わす貴重な機会と時間を分かち合うことができました。今後も緩やかに様々な地域の方々と同じ様な場を共有していければと思います。
皆様ありがとうございました。
[開催情報]
日時:2014年11月28日19:00 - 21:00
会場:P3/BEP.lab(大分県別府市北浜)
概要:映像写真展示に加え、今もその仮設住宅で暮らしながらコミュニティカフェやキッチンカーで住民の対話の場を保ち続けている岡裕彦さんに女川町の「いま」について伺いながら、別府で対話の場を設けます。
主催:一般社団法人対話工房
協力:NPO法人BEPPU PROJECT
外部リンク:ベップ・アートマンス2014
2014年
11月
21日
金
東日本大震災から3年。津波は多くの方の命を奪うとともに、隠れていた社会の歪みや構造を露わにしました。
2年前のベップアートマンス2012では宮城県女川町の仮設住宅の原寸大の間取りを展示会場に転写して展示しました。今回は新たな映像写真展示を加え、今もその仮設住宅で暮らしながらコミュニティカフェやキッチンカーで住民の対話の場を保ち続けている岡裕彦さんに女川町の「いま」について伺いながら、別府で対話の場を設けます。
【日 時】11/28(金)
【時 間】19:00〜21:00 (開場は30分前)
【場 所】P3/BEP.lab(別府市北浜1-2-28 草本ビル2階)
【料 金】500円(女川のさんまつみれ汁付き)
【駐車場】なし
【申し込み】予約申込制。30名まで。前日までお申し込みください。
※階段の上り下り等に介助が必要な方は、事前にご連絡ください。
【予約窓口】ベップ・アート・マンス事務局(NPO法人 BEPPU PROJECT内)
電話:0977-22-3560(受付時間:月~金/9:00~17:30)
E-Mail:info@beppuartmonth.com
インターネット予約:http://goo.gl/2Mj0bB
【トークセッション参加者プロフィール】
岡 裕彦 Oka Hirohiko (女川港大漁獅子舞まむし・対話工房)
1958年宮城県牡鹿郡女川町生まれ。2006年生家を改装したカフェ&ライブハウス「ダイヤモンドヘッド女川」(設計:海子揮一)を開業。2011年震災の津波により店と自宅を失う。女川港大漁獅子舞「まむし」の組頭をつとめながら、コミュニティカフェ「おちゃっこクラブ」を運営。女川町復興連絡協議会会員。
海子揮一 Kaiko Kiichi (建築家・対話工房代表理事)
1970年宮城県生まれ。世界の民俗建築を巡る旅を経て、火や対話をテーマに建築設計の実務に携わる。同時にアート屋台プロジェクト(2008年-)、対話工房(2011年-)を代表として立ち上げ、人と環境の新しい関わりと対話の場を作り続けている。
草本利枝 Kusamoto Toshie (写真家・対話工房)
1970年別府市生まれ。京都市在住。別府で開催の混浴温泉世界ポスター写真を担当。ダンサーと障がいがある人のワークショップ、ALS患者の独居支援プロジェクトなど様々な身体の交流を撮影。東日本大震災以降、対話工房メンバーとして対話の場を作る活動に参加。女川町の小学生の成長の記録を続けている。
安部純子 Abe Junko (別府市役所)
1969年別府市生まれ。幼少から祖母と世界珍道旅を続け海外進学。移民・ゲイコミュニティーに育てられ帰郷。世界の平和とみんなの笑顔を祈り100ヶ国近い多国籍市民の多文化共生支援、BEPPU PROJECT、アルゲリッチ音楽祭、別府Jazz、公民館活動、自治会や子ども会、小さな市民活動、伝統工芸・芸能・祭りの継承等地域文化芸術活動を別府のポテンシャルと支援。現在別府市役所職員。
日名子英明 Hinago Hideaki (ベップオンガク)
1970年別府市生まれ。別府駅北高架商店街内にあるレコード店『ReNTReC.』店主。古き良き時代のレコード店が目標。モットーは「世界中の音楽との出逢い」。『SlowlyMarket』(毎土曜日)、『音ノ会』(毎火曜日)を通して、のんびりと一週間を満喫。2009年より別府独自の音楽文化を構築するために、『ベップオンガク』という名称で活動を開始。
2012年
10月
08日
月
対話工房の別府での展覧会「touchable face and future ― 触れられる未来 in 九州展 」が、10月6日から市内のplatform01で始まりました! ベップ・アート・マンス2012の参加企画であるこの展覧会、アートイベント「混浴温泉世界」のオープニングとも重なり、初日には100名以上の方々にご来場いただけたようで、嬉しいです。
上の写真は会場風景です。東北と九州の地図を並べて展示したり、仮設住宅の間取り平面を実寸大で床に描いてその広さを体感してもらったりと、自らの日常に引き寄せて考えるための展示と、草本のカメラがとらえた子どもの笑顔や風景、泉山による映像など。泉山の映像は、仮設住宅の居間にちゃぶ台とセットで置いたテレビに流れています。
また、この展覧会について、地元の大分合同新聞さんに取材していただきました。対話工房の相澤が関わる東北の記録映画「なみのおと」別府上映もあわせてご紹介頂いております。
大分合同新聞さん、ありがとうございました。
別府の皆さん、よろしければぜひ展示会場までいらしてください。また、その他の地域の皆さんも、興味があればお声がけ下さい。対話工房はできる限り、どこへでも対話しにでかけたいと思っています。
※最終日の10月12日18:30からは草本と泉山によるトークイベントも開催します。対話工房の相澤が司会を務め、来場者のみなさんともお話できる場になれば幸いです。
※詳細はこちらもご覧ください。
2012年
10月
05日
金
2012年10月6日(土)〜12日(金)、対話工房が大分県別府市で展覧会を行います。
温泉地として知られる同市で毎年秋に開かれる市民文化祭「ベップ・アート・マンス」への参加企画。九州にも縁の深いメンバーふたりの展示を中心に、トークイベントの形で対話の場も設けます。
対話工房のメンバーは、日本各地から宮城県女川町に訪れ、あるいは住まいながら関わり合っています。今回は、別府がふるさとの写真家・草本利枝と、福岡在住の泉山朗土による写真+映像+インスタレーションを軸にした内容。やはり対話工房メンバーで女川在住の岡裕彦がくらす仮設住宅の間取りも平面で再現します。
草本と泉山が女川の地で人々から学んだ事を、自分たちの地元・九州の皆さんとわかち合い、未来を考える機会にできたらと考えています。最終日には、対話工房の相澤久美を司会に、草本と泉山、そして来場者のみなさんによる「対話」も行います。ぜひお越しください。
「touchable face and future」触れられる未来 in 九州展
会期:2012年10月6日〜12日 11:00〜21:00
会場:platform01 大分県別府市元町8-3
入場無料
関連イベント|出展者を囲んでのトーク
草本利枝 × 泉山朗土 司会:相澤久美
2012年10月12日 18:30〜20:30
会費:500円
※このイベントは「ベップ・アート・マンス2012」への参加企画です。
公式サイト:http://www.beppuartmonth.com/
※今年はベップ・アート・マンス2012と同時期に、別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」も開催されます。
混浴温泉世界:http://mixedbathingworld.com/